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【福井のカズさんらしさ】溢れ出すバイタリティで新しい自分を切り拓く【坂井市らしさ名鑑】

2010年6月中旬の越前海岸。
1台のデジタルカメラを手に、海へと潜る男性の姿がありました。
今から13 年前ある1人の動画クリエイターが初投稿した、およそ2 分30 秒のガジェットレビュー動画。
投稿主の正体は、現在メインチャンネルの登録者が180 万人を超え、福井を拠点に活動する動画クリエイターのカズさん。
YouTube ではガジェットレビューをはじめ、DIY や古民家の改築、旅行、料理、トレーニング、ゲーム実況など幅広いジャンルの動画を投稿しています。
それにはとどまらず、プロジェクタースクリーン製造会社「株式会社シアターハウス」の代表取締役に就任し、実業家としての顔も持っているカズさん。
福井で活動するにあたっての想いやカズさんの原点を聞きました。


カズさんが動画クリエイターになるまで

坂井市春江町に生まれ、中学卒業後は旧県立春江工業高等学校へ進学。
「僕の周囲には独立心の強い友人が多く、インパクトのある世代だった」と当時を振り返っており、エネルギッシュな生徒たちの姿に先生も驚いていたそうです。
その後、大手の電気工事会社に就職しましたが、1 年後に退職。
繊維関係の会社でホームシアターの開発に取り組んでいたおじさんから「ウチで働かないか」と誘われ、わずか1 週間で覚悟を決めたといいます。
後にカズさんが人生の転機だったと語っている出来事です。

おじさんの会社に入ってからは、自分の手で人生を切り拓いていけると実感することが多くなったといいます。
入社後はホームシアターの製造をしていました。パソコンへの興味が湧いてきた19 、20 歳の頃は朝6 時に起きてから寝る直前まで、ほとんどの時間パソコンに触れていました。
ブラインドタッチもままならない状態からメールの返信業務でタイピングスキルを習得し、HTML やホームページ制作も独学でした。

いざ作業がはじまると、没頭しすぎることも多いのだとか。

25歳で独立。
YouTube を始める前は、ホームページ制作、ブロガー、アフェリエイトなどをこなし収入を得ていた時期もありました。
ブログの検索順位を上げることが得意で、反対に人前で話すことは苦手だったといいます。
そんな中でYouTube と出会ったのは、一般人が投稿していた1 本の商品紹介の動画を見たことがきっかけでした。
当時はまだYouTubeで一般人が動画を投稿していることが珍しかったためこれに感銘を受け、心臓を強くしたい、人前でしゃべる練習がしたいと考えました。
動画を見た1 週間後、カズさんは越前海岸でデジタルカメラのレビューを行う動画を初投稿し、動画クリエイターへの第一歩を踏み出しました。

地元への想い、活動への信念

――福井を活動の拠点に選んだ理由を教えてください。

「福井は協力してくれる人がとても多いよね。それと都会は優秀な人が多いから、井の中の蛙ぐらいがちょうどいいのかなって。
都会のちょっとできる人は福井だとスーパーエースになるし、自己肯定感も上がっていいじゃない。スキルが仮に低かったとしても、努力の積み重ね次第でカバーできるのが地元のいいところだと思う。」

――今後、福井でやっていきたいことはありますか。

「飲食店(居酒屋)を盛り上げて、まちを元気にしたい。自分の住んでいる半径5キロメートル内とか、別荘の周辺とか。自分の周辺からできることで活性化に繋げていけたら。」

顔を綻ばせ、これからの目標をいきいきと語るカズさん。

――カズさんの決断の速さや行動力が印象的でした。当時、不安は感じなかったのですか。

「自分は昔から、運動や勉強があまり得意ではなかったから行動力で勝負しようという思いがある。
世の中には頭のいい人がたくさんいるのに、みんな行動しないままになっているよね。その状況をラッキーだなと捉えて、自分はどんどん動くぞと気持ちを高めている。」

――なかなか行動する勇気がでない若者へ、アドバイスをいただけますか。

「チャレンジしても致命傷にならなければ失敗のうちに入らないと思っているし、人間はスリルに慣れていくものだと思う。
新しいことに挑戦していくと慣れていって、囚われていた枠を踏み外して行動していけるよ。」

見えてきた、カズさんの「らしさ」

高校時代の友人やおじさんなど周囲の人から良い影響を取り込み、興味を持ったらスキル や技術を貪欲に学んで身につける。内側に向かう矢印はカズさんの吸収を表し、好奇心や希 望の意味をもつ黄色で塗られています。

一方でブログ投稿やYouTube など、外の世界に向 けて発信していくことも積み重ねてきました。このようなエネルギーの放出は外側に向か う矢印で表現され、活発や明るさ、温かみの意味を持つオレンジで塗られています。

そして 中央の赤いコアはカズさんが持つ情熱や勇気を表し、全体的に見ると太陽のような形が浮 かび上がってきます。

カズさんが持つ「らしさ」とは、持てる限りのエネルギーを吸収と放 出に換えて、自分を切り拓いていくこと。
そんなカズさんを見た私たちは元気をもらえたり、 癒やされたり、自然とポジティブな気持ちが湧き上がってくるのです。

何気ない会話から企画のアイディアが生まれることも。

【ライター自己紹介】

名前:森亜由美
年齢:24
職業:ライター、講師
趣味:スポーツ観戦、バレーボール、園芸、古典文学、散歩

【編集後記】

初対面でとても緊張していましたが、カズさんが穏やかな笑顔と軽快な福井弁で大変気さくにお話をしてくださったおかげで、無事に取材を終えることができました。本当にありがとうございました。
「スリルは慣れていくもの」 取材のなかで、私はこの言葉が一番心に残っています。新しい世界に踏み出していくとき、恐怖や不安は多かれ少なかれ付き纏うものですが、「不慣れなときがあってもいい」「いつか気にしなくなるものさ」と初動のハードルを少し低くしてくれるように思います。
本当に慣れるものなんだなと答え合わせができる日を楽しみにして、少しずつ前進していきたいです。

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